『ここが変だよ成年後見』

連載記事第9回

〈銀行から司法書士へが鉄板ルート〉
〈鵜呑みは危険、必要度の見極めを〉

後見が必要でもないのに後見制度を使ってしまう人は多い。話を聞くと、銀行、包括、税理士に「後見を使わなくてはいけないと言われた」という方がほとんどである。本稿ではその背景にある後見営業の実態と対策を紹介する。


一般社団法人後見の杜 代表 宮内康二

銀行ルート

  老親が認知症になると「後見人制度を使っていただかないとお金はおろせません」と銀行は言う。預金者本人に会わずにそういう根底には「認知症=ダメな人」という固定観念がある。
  続いて銀行は司法書士の後見集団「リーガルサポート」を紹介する。「後見取次サービス」という銀行と司法書士の提携に基づく紹介だが預金者からは不評のようだ。「後見のことと思って事務所に行ったら、遺言書を書きましょう、不動産は家族信託にしましょう、と後見と関係のない営業をされた」とか「後見の利用について具体的に話を進めたが、“あなたは後見人にはなれないから私がやってあげますよ”と言われ事務費用も高かったので依頼するのを辞めた」と振り返る人は多い。

  銀行の言うことだから間違いないという固定観念を持つ人は銀行に紹介された司法書士の勧めるがまま後見制度を使ってしまうのである。一般人の知識不足をとがめるより後見がどういうものか詳説しなかった(できない)司法書士とそのような司法書士が所属している団体を紹介した銀行には改善が求められる。

  「後見が必要」と言われながら本人を銀行に連れて行ったら後見を使わずに実際にはお金を引き出すことができた例は実際にはかなりあるし、銀行に家か施設まで来てもらって本人と話してもらい後見無しで払い戻しができたケースはたくさんある。おためしいただきたい。
 


地域包括ルート

地域包括センターにも司法書士は営業をしている。「この地域包括はA司法書士の縄張り、あの地域包括はB司法書士のテリトリー」という包括センターもあるくらいだ。
司法書士が司法書士に行うセミナーの中に地域包括営業策というのがある。具体的には「知り合いのケアマネに後見勉強会を告知し、“参加5名集客”する」

「後見申立て4件、後見人就任予定(35万円×3件)、死後事務委任契約3件(50万円×3件)が受任できる」
「一度の勉強会で売り上げ見込み315万円が可能!」
というノウハウである。
「同様の勉強会を場所を変え複数回開催することで事務所売上の基軸とする」と書かれたセミナーのチラシを見るにつけ、業務上仕方ないかもしれないが嫌な気持ちになる。そのような司法書士が後見人養成講座の講師や自治体の後見委員会に出席しており、なるほど後見を使う側からの反発が収まらないわけである。
後見のことを後見屋さんに聞くように仕向けるのは「利益供与」であり、介護保険制度上の地域包括支援センターは中止すべきである。社会福祉協議会にも同様のことが言える。自らが後見人になる「後見センター」ならまだしも、士業につなぐだけの「後見支援センター」には要注意、司法書士等の営業拠点になっているだけのことが多いからである。


税理士ルート

遺産を貰う誰かが認知症や知的障害であることを知ると、「後見制度を使わないと相続できませんね、司法書士さんを紹介します」と言われる場合もある。

早くお金がほしいからといって後見をつかうと、より月数がかかる場合がほとんどである。相続人の関係が悪い場合は、他の相続人に対する内容証明郵便に始まり、調停→後見→本訴と、時間とお金がなおかかる。税理士、弁護士、司法書士に手数料をごっそり抜かれ、結局、法定相続+以降の後見費用という哀れな結果になるのが落ちである。

答えは簡単、後見を要求する税理士は使わないこと。実印があって法定相続でわけるなら遺産分割に後見は必要ないと言える。遺産をもらう人が障碍者の場合、本人の実印を作っていないことが多い。自治体へ行くと「障碍者は実印は作れません」と言われることもあるが、本人の「実印を作りたいという意思」を委任状に置き換え、家族が自治体へ行けば実印はほぼ作れるのであきらめて後見を使ってはいけない。

というわけで、銀行・包括・税理士を信用できなくなったという人は多い。家庭裁判所に行っても「弁護士や司法書士に相談してください」と言われるだけで、後見を使った方がよいか否かを個別に教えてくれることはない。家庭裁判所は裁くところで助言機関ではないからです。

中立的相談できる場所なし

後見に関する中立的相談機関がない現状では、自分たちで後見が必要か否かを見極めなければならない。その際、上表の7項目でチェックするのも一案である。「はい」が多ければ後見の必要が高まり「いいえ」が多ければ後見の必要度が下がる設計になっている。

後見の杜の「後見お悩み相談室」というホームページでは、後見の必要度が個別に無料で点数表示される。加えて「後見人の良し悪し」も7問で個別に点数表示される。ご興味ある方は無料査定してみて頂きたい。 

「後見の必要度」
自己チェックシート

1.

ご本人は認知症等の診断を受けていますか?

2.

ご本人は自分の名前を書けますか?(斜め字でもOK)

3.

ご本人のことで親身になってくれる家族はいますか?

4.

ご本人は「お金のことは誰々に頼みたい」と言えますか?

5.

ご本人のキャッシュカードがあり暗唱暗号もわかっていますか?

6.

金融機関から「後見人をつけないと取引できない」と言われていますか?

7.

ご本人の財産が使い込まれたり悪質商法に遭っていますか? 

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