成年後見人制度の矛盾 

第6回(被後見人の結婚と扶養義務) 

成年後見制度を利用されて被保佐人や被補助人になられた方でも、もちろん狭義の被後見人であっても民法により婚姻の自由は認められています。すなわち、被後見人の意思が尊重されるわけです。

一方、後見人には同意も承認も必要はありません。そのようなことまでの権利は後見人にはないのです。しかしながら、複数後見人の場合などは親族後見人の理解は必要であると考えます。

私の場合ですと、弁護士保佐人には事後報告でしたが、保佐人である伯父には積極的に動いていただきましたし、最終的には伯父と伯母(伯父の姉)と妻と私で食事会をした後、

伯父にも伯母にも賛同の意志をいただいています。最後に、家族引き合わせの際にも成年後見制度の法定後見人(複数保佐人制)であることも、伯父のほうから説明して、妻の家族(二人の兄夫婦)にも了解をいただいています。

本人同士が障害者同士であっても、成年後見制度の中で積極的に被後見人の人生を応援してあげることも家族、親族の務めと考えています。一つだけ、問題点があるとすれば、成年被後見人には絶対的な扶養の義務はないことなのです。

仮に、結婚して子供を持ったとして、被後見人の夫が入院したり施設に入居したりして、

妻が後見人でない場合を想定します。私の場合も、妻は保佐人でも複数制保佐人の一人でもありません。

私の入院中は、被後見人には銀行法に基づく取り決めによりキャッシュカードは持てないことになっていますので、被後見人届を出した銀行に、預金通帳、印鑑を持参しても、私自身が預金を下ろしに行かないと預貯金はおろすことが出来ません。

従いまして、後見人にはキャッシュカードを作成してもらえるので、病院の支払い、妻の口座への生活費の振り込みは、後見人から妻の口座にしていただいていました。

様々な考え方もあるようですが、通常の留守宅の生計費は、引きおろしが口座からの、家賃等や上下水道、光熱水費、通信料や視聴料、税金・公課金などを除いて私の場合でも、18万円程度妻の口座に振り込まれただけです。(生計費15万円+私の入院中の日用品費3万円)ですから、子供さんが二人程度でも、常識的な生計費は振込額で30万円程度ではないかと思われます。

それに、この生計費にはぜいたく品(高価な家電や自動車、あるいはリフォームなどの費用)は含まれていません。このような費用は、事前に後見人を通して、家庭裁判所に伺いを立てなければなりません。そして、数社の見積もり合わせということにもなります。

私のように、被後見人として入院、入所が短期の場合は、何とかなりますが、長期にわたる場合などは配偶者はとても疲労が伴ってきます。そして、後見人(職業後見人及び親族後見人にもどちらにも当てはまります。)が、結婚生活をきちんと見て応援する気持ちがなければ、元から成年後見制度を利用することはやめたほうが良いと考えます。

これは、何も若者にだけ適応される話ではなく、いわゆるシルバー婚や子供のできにくい晩婚にも当てはまることだと思います。私自身、私が47才、妻が53才の結婚でしたので、子供もいません。常に、後見人はこのような家庭を把握することも務めだと考えます。

なにも、杓子行儀に、私は旦那様の後見人であって、配偶者のことや子供さんのことは知りませんというような、後見人は必要ないと考えてください。


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