成年後見人制度の矛盾 

第4回(不明瞭な成年後見事務報告制度) 

成年後見制度に救われたように、お思いの家族、親族の方もおられるかとは思います。

でも、当該被後見人(被後見人、被保佐人、被補助人)に相当の資産や財政力(例えば賃貸マンションやアパート経営など不動産よりの収入)があれば、家庭裁判所もあまり理不尽なことは言いません。(以下、当被該後見人のことを本人と言わせていただきます。)

ところが、成年後見制度を利用しなければならないような本人が、少ない障害年金などや不労収入、または老齢年金でも少額年金者の場合は、家庭裁判所は厳しく支出をチェックします。いわゆる、娯楽や遊興費(俗にいう飲む、打つ、買う)などはもってのほかのように言うこともあるようです。

本人にしてみれば、少ない資産や収入を工面して、少しばかりの息抜きをしたくても、仮に家族や親族に理解があっても、家庭裁判所は許してはくれません。また、司法当局と親しければ親しいほど、専門職の後見人(弁護士や司法書士)は、家庭裁判所の言いなりになるわけです。また、家族、親族の面会や差し入れに必要な経費も渋る後見人もあります。このような方は必ずと言っていいほど、報酬付与の申請時に自らの後見事務に要した、日当、交通費、連絡費用は積み上げて裁判所に申請します。

もし、親族後見人で後見事務報告を自分たちだけで、まじめにやろうとすると、家庭裁判所は全部のレシート、領収書を提出しろとか、私の場合ですと、介護のための自宅の風呂のリフォームには3社以上の見積もり合わせを取れとか自費出版するのなら4社は見積もりを取って、しかも最低価格の業者にしろとか、難題のようなことも言ってきます。一方で、親しい間柄の専門職の後見人には鏡だけ見て信用受領のこともしているようです。

成年後見事務報告自体はそれほど難易なものではありません。家計簿のような月次集計表をつけて(ただしレシートからの積み上げは必要ですが)、それを12か月で集計して月次見込み表(これが決算の集計平均表です。)と、年次報告書(これも、本来は月次報告書をつけないと出来上がらないものですが、)の中で10万円以上の支出があれば、いわゆる正式な領収書を添付するにすぎません。あとは、財産目録は、金融機関から送られてくる、年4回の取引レポートや取引報告書などの6月分より集計して、その原本を言つけて報告します。(事務報告は、現在では通常9月報告となっています)

私が、ここまで説明したら、なあんだその程度のことなら、専門職に頼まないでも親族後見人とその一族で手分けすれば十分できるなあと思われることを、いちいち専門職の後見人は煩わしくて面倒なことのように言うのです。

前にも、申したように、成年後見事務報告は、成年後見事務の一部に過ぎないことを認識ください。もし、家族や親族に入院手続きや施設の入居の手続きなどのほか、本人との接触もしないような専門職後見人なら、即刻辞任してもらうことです。そして、親族後見がどうしても不可能なら、良い方(別に弁護士、司法書士、社会福祉士などに限りません。数字に強く、責任感ある方なら、看護師や介護福祉士、税理士や公認会計士、行政書士や社会保険労務士などでも可能です。)

そのような方がお近くにおられたら、ご相談してほしいぐらいです。でも、本人としても、後見人にはならなくても、そのように選んでもらった後見人と本人との大切なパイプ役を家族や親族の方が担うのは、被後見人の立場から言わせていただければ、当然自明の理であると思います。

どうか、成年事務報告など恐れずに、立ち上がってください。家族や親族の支えあっての本人です。



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