成年後見人制度の矛盾 

第1回(成年後見人制度に陥る経緯)

皆様は、身内の方で、自己判断能力に弱い方がいらっしゃるような案件はございませんでしょうか。

実は、身内と言えども、預貯金や通帳、印鑑を管理できるような権限は、今の民法上の制度の上では、現実的にはありません。

父母、兄弟、配偶者と言えども、後見相当者の預貯金を勝手に引き下ろしするようなことは、横領行為になります。

もし、その方が、病院、施設、グループホームなどの福祉ホームや援護量などの場所に入居することになっても、支払いはすべて本人にしてもらわなければなりません。

かりに、家族等が預金通帳などを預かっていたとしても、金融機関の窓口では、その方の身分証明書、預金引き出しのための委任状、そして家族等の身分証明書や戸籍謄本などの本人とのつながりを証明する書類が必要になってきます。

また、現実的に本人に預金管理のすべての業務が推敲不能な場合(寝たきりとか、強度の障害者など)は、預金管理や支払い等の手続き、そして本人へのお小遣いの手渡し(もしくは施設等に預ける金の工面)など、その都度金融機関へ行って、証明できる書類を提示して預金引き出しなどを行わなければなりません。

そういった矛盾点をうまく整理してくれる、まさに渡りに船といった制度が、成年後見人制度なのです。

本人の、意思判断能力に応じて、弱いほうから、被後見人、被保佐人、被補助人といった分類で区分されています。

障害の区分では、それぞれ、一級(A判定)、二級(B判定)、三級といった程度の障害に相当するものです。

この中でも、注意したいのが被後見人の場合です。私は声を大にして言いたいのですが、被後見人にだけはしてほしくないのです。

被後見人に指定されてしまいますと、原則預金口座は保持できなくなります。もと合った講座は,、○○○○後見人管理口座××××(後見人の名義)となり、もちろん預金積長、印鑑などは後見人に移管され、キャッシュカードは使用できなくなります。もちろん金融機関は、後見人には便宜を図ってくれ、後見人用の新しいキャッシュカードが発行されます。

親族の誰かが後見人になる場合は、多少なりとも融通は利きます。しかし、弁護士や司法書士に依頼すれば、家族、親族と言えども、被後見人の預金は一切引き出しができなくなるということなのです。

もちろん、被後見人と同居している扶養家族とみなされる家族への仕送りは、必要最低限の生計費程度(様々ですが、仮に夫婦二人暮らしなら15万円程度と本人の小遣い2.5万円)

が、留守宅の同居家族に後見人が後見管理口座より振り込みます。でも、その他の家族、親族にはいっさい支援はありません。

また、留守宅での使った費用に相当する、領収書やレシートはすべて後見人に送付しなければならない仕組みなのです。

後見制度を利用して、後見相当人の利便を図ろうとするつもりが、狭義の後見人の指定によって、どうにもうまくいかなくなるのです。

しかも、家族等は、本人の預金がいくら、どのように使用されていたかもわからない始末です。

多少の、意思疎通(筆談などが可能なら)が出来て、少しの意思判断能力があれば、被後見人の指定などやめて、せめて被保佐人の指定に帰るべきだと考えます。

皆様も、狭義の被後見人に指定して、弁護士等を後見人にしようとされているのなら、今一度の再考をお願いいたします。


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