アメリカ後見改革の動向


社会福祉士  越川文雄氏


第2回 【Ⅱ アメリカ後見改革の経緯】

1. AP通信報道を契機とした大きな流れ

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後見についての問題提起の動きは、1960年代に見られ、更に1987年のAP通信の連載報道(AP Guardianship Series)がキッカケとなり、後見近代化の本格的流れが生まれた。その記事では、裁判所のオーバーワークとマンパワー不足により機能がマヒし、自分の面倒を見ることが出来ない人々を見捨てる結果になっていると述べている。(Bayles & McCartney,「高齢者の後見人:病めるシステム」1987)


これを契機に下院高齢化特別委員会(The U.S. House Select Committee on Aging)が「高齢者、弱者の後見における虐待:国の不名誉」(Abuses in Guardianship of the Elderly and Infirm: A National Disgrace)というテーマでヒアリングを開催した。そこで小委員会(the Subcommittee on Health and Long-Term Care of the Select Committee on Aging)委員長が、次のような見解を述べた。


「標準的な被後見人は、標準的な刑に服する重罪犯よりも少ない権利を持つことになる。‐‐‐米国市民に対する市民権についての懲罰としては、死刑に次ぐ最も過酷なものだ」


その後、下院としては具体的行動をとらなかったが、州の対応として多くの州法改正が行われた。「全国後見協会」 (The National Guardianship Association:NGA、専門職、ボランテア、家族後見人を会員とし、後見基準作り等を行う)が設立され、2003年に「後見実践指針」(Standards of Practice) と「倫理規定」(Code of Ethics)を作成した。


(「全国高齢者・裁判所センター」(Center for Elders and the Courts:CEC)ホームページ掲載の“Guardianship Reform Efforts”を主に引用)


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