online site builder

© Copyright 2019 成年後見制度を考える会 - All Rights Reserved

『ここが変だよ成年後見』

後見の杜 代表 宮内康二氏
(シルバー新報連載記事より抜粋)

シルバー新報に掲載された 後見の杜 代表 宮内康二氏による記事です。

全12回の連載に加え、3回の特別編が追加で掲載されました。

各記事を抜粋しています。

一般社団法人後見の杜Facebook より


第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第10回 第11回 第12回

特別編① 特別編② 特別編③

全15回の記事を抜粋

第2回 
ここが変だよ成年後見

後見報酬に”からくり”あり
後見団体は自ら情報開示を

Mobirise

法定後見人は年に1回、家裁に報酬を請求し金額の評価を得る それまではいくらもらえるかわからない仕組みだ。 

資料はある事案の後見報酬の審判書である。下の方に1年間に121万円とある。これを10人やれば年収1210万円、同じ人から5年間もらえば605万円が後見人の懐に入る。

後見報酬は一般的に月数万円と言われる。 なぜ年121万円になるのか?ここに後見報酬のカラクリがある。

後見人がもらう報酬、裏返せば、被後見人本人が後見人に払う費用は、固定報酬とボーナス報酬の2段階になっている。 一般に言われるつき数万円は固定報酬のことだ。

ボーナスは家を売った場合、遺産分割協議をした場合、保険を解約した場合、入退院を繰り返した場合、裁判を起こした場合が対象になる。 この仕組みがあるからこそ、多くの後見人が被後見人の家を売り、保険を解約し、裁判を起こすのである。

これらの行為には必要性が認められる場合と無駄と思われる場合の両方があるが、家裁にもらった代理権の範囲内であれば違法性がない、とのことで後見人が処分されることはない。

私は1000件近い貢献レポートと報酬額を見てきた。 一番少ないのは年100万円の報酬だった。お金のない、無銭飲食ばかりする、精神障害者の後見人は、年間50時間程度使ったので、時給換算2円となる。

一番多いのは年間400万円と記憶する。本人が後見制度を使う前に悪質商法に盗られたお金を、某社会福祉協議会の法人後見人が弁護士に頼み取り返した。 法人後見人から依頼を受けた弁護士も着手金及び 応分の成功報酬=数百万円を得ていた。「弁護士に頼んだだけで400万円の後見報酬」といえばそうとも言える。

「父(や夫)の後見人の報酬額が分からない」、「後見人に聞いても〝あなたに教える義務はない″と教えてくれない」という相談は少なくない。

こんな時は「後見報酬の審判の閲覧謄写請求」を家裁に出すことを勧める。しかし、多くの家裁がこの閲覧謄写請求を許可しない。「被後見人以外は部外者である」というわけだ。

次の手として、被後見人本人からの閲覧謄写請求がある。 「自分のお金の流れを知る権利」の行使である。 被後見人といえども「あなたのお金を管理している人に、あなたがいくら払っているか知りたいですか?」と聞けば「知りたい」というご本人はとても多い。しかし家裁が閲覧謄写請求を許可しないことが多い

「財産管理能力のない被後見人が後見報酬を知りたいと思うはずがない。」、

「知ったところで意味がないでしょう」と発言する家裁の調査官、書記官も実在する。

後見制度の閉鎖性に疑心暗鬼になる家族が増えるのは当然のことである。

ここで臨むのは家裁が後見報酬の計算方法を開示することである。

無料を原則とする後見報酬の特例として 民法862条に「後見人の報酬」というタイトルで「家庭裁判所は、後見人及び被後見人の資力その他の事情によって被後見人の財産の中から、相当な報酬を後見人に与えることができる。」と規定されている。家裁が「相当」とした評価額がどのような基準ではじきだされたのか説明を求めたいということである。

家裁の審判を根拠に、本人の口座から報酬を取っている後見集団が「こんなケースでいくらもらいました」というように具体例をラインアップするのも一策だ。 弁護士会、リーガルサポート、ぱあとなあ、その他の団体にご検討頂きたい。

本人や家族が聞いても金額や理由を知らせない現状が続くならば、後見制度を利用する人は減り続けるだろう。何をされ、いくら取られるか分からない制度やサービスを使う人がいるはずもない。忘れてならないのは、「後見人がそれなりの業務をして、一定の効果をあげていれば、相当の報酬を払うことに異論はない」と利用者の多くがいう現状である。仕事に自信があるなら、家裁や後見人は報酬額を明示すべきである

成年後見制度を考える会 2019 All Rights Reserved.